スポンサーサイト

--------
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

トレシーバ!!

2012-09-29
緊急企画!!
新しい持効型インスリン製剤デグルデク(商品名:トレシーバ)の承認申請が遂に日本で受理されました!(12月に登場するそうです)

 今回は当初お送りする予定の記事を変更して(いつもたいして予定ないですがw)これまでにわかっている作用動態、臨床試験の結果について。そして、ついでと言っては何ですが他の持効型インスリン2剤(レベミル、ランタス)の情報も交えて。使っているインスリンの作用や動態をよく知ることは大事☆、ざっくりですがちょっとまとめてみたいと思います!

まずは基本のちょっと細かい話からスタートします。インスリンは通常1分子が6つ集まった6量体として安定状態を保ちます。インスリン製剤のR(レギュラー)は通常のこの6量体、超速効型は6量体がバラバラになりやすくなるように遺伝子組み換えされていて、よって作用発現およびピークが速いわけです。反対に持効型インスリンはバラバラになりにくい&少しずつ血中で1分子のインスリンになることで作用時間が延長するわけですね。

 インスリンアナログ製剤はそれぞれ個々の特徴を持っています。持効型インスリンも3剤で少しずつ違います。それではそれを見ていきましょう。文献は「Insulin Degludec, The New Generation Basal Insulin or Just another Basal Insulin?」 Nasrallah、Reynolds Endocology and Diabetes 2012(5) 31-37

 はじめに。ランタスは遺伝子組み換えにより酸性の製剤中で安定になるようにされていて、これが注射後は中性の皮下において結晶化し、これにより緩徐にインスリンが吸収されます。(ちなみに製剤中で唯一の酸性のインスリン、なので注射後少し沁みます) 30-60分で作用が発現し、明らかなピークを認めず16-24時間に渡って効果が持続します。

 レベミルは遺伝子組み換え+直鎖脂肪酸負荷により6量体や複合体形成しやすくなっており、更に血中に移行後はアルブミンというたんぱく質と結合し、ここから遊離型のインスリンを放出することにより、緩徐な性質を示します。皮下からアルブミン結合とワンクッション置くことでインスリン注射毎のインスリン吸収のバラつきがより小さくなります。30-60分で作用が発現し、注射後3-14時間の時間帯に少しピークがあり16-24時間作用が持続します。

 ランタスとレベミルを比較すると、作用持続時間はランタスの方が長く1型糖尿病患者でも大部分は1日1回注射で事足ります。(2回打ちの方がより安定するとは言われていますが、ちなみに僕は現在ランタス2回注射です)レベミルは実際上24時間持たない例が多数を占め、このこともあってインスリン投与量はレベミル>ランタスとなることが多いようです。(2回打ちの影響-投与量が多くなる-もあります) 体重増加はランタスの方で多い傾向があるようですが、ランタスで増えるのかレベミルで抑制されるのか、どうして何だか理由は判明していないようなのですがとにかくそんな傾向が見られるそうです。あと、試験管レベルの研究ではランタスで催奇性やがん化を促進させる可能性が示されており、このこともあって妊娠時に使用するインスリンとしてはレベミルの方が高い評価を受けています。(念のため、実際上の問題が発生しているわけではありません。これは最近に登場したインスリンアナログ製剤全般に言えることですが、長期間での安全性はどれも確認できていません)

 以上をふまえて、ではトレシーバはと言うと、遺伝子組み換えによりレベミルよりもさらに皮下で重合しやすく徐々に血中へ拡散しやすい構造で、このためより長い持続時間での安定したインスリン供給ができます。作用発現は30-90分明らかなピークは認めず24時間以上作用が持続します(おおよそ42時間)3剤中もっとも低血糖の頻度が少なく、レベミル同様催奇性、がん化の危険性も小さいであろうことが報告されています。現在のところ体重増加とインスリン投与量はランタスとほぼ同等であるという見方がされています。
 
 安定したインスリンの持続供給と低血糖の頻度が減ることで、基礎インスリンの増量を積極的に行えることが期待できます。持効型インスリンは夕食時もしくは眠前に打つことが多いインスリンですが(眠前に打つ意義は薄く多くは古くからの習慣的なものですが)、この場合の基礎インスリン投与量はまず第一に起床時の血糖値、次に夕方~夕食前の血糖値が正常域にくることを目標に調整します。ペン注射の場合はインスリンポンプのように基礎インスリンの時間帯設定を細かく行えないため、食事時の超速効ないしは速効型インスリンの投与でも基礎インスリンの過不足を調整することがある程度余儀なくされます。ベースとなる持効型インスリンの供給が安定であるなら、シンプルに食事と食事時のインスリンのバランスだけを見ればよくなるのでより血糖値の調整が行い易くなります。
 
 インスリン自己分泌が一定以上ある2型糖尿病ではトレシーバを1日おきに投与、1日の好きな時間に投与、でも充分な効果が得られている研究があります。自己分泌の枯渇したタイプの患者はさすがにここまではちょっとですが、それでもおそらく数時間~半日くらいの時間の幅で打つ時間がずれても影響が小さいことが見込まれています。自己分泌の残存が一定以上あればインスリンは基本打てば血糖は下がるものですが、そうでない枯渇の程度が強いほどインスリンはちゃんと打たないとちゃんと下がらない。その点で少しゆとりが出るであろうこともちょっと嬉しいニュースですね♫
 
 何だかトレシーバに有利な情報ばかりですが、現時点では実際そんな見方。今後色々問題が指摘されるかも!?ですけどね、海外ではトレシーバの承認が先送りされていることも少し気にかかりますf(^_^; でもピークレスで作用時間の長いトレシーバは安定した基礎インスリンの供給を可能にしますが、人によっては時間帯に配慮し調整したインスリンのピークが自分の体と合う場合も考えられます。その他、体質的にという問題もあれば使用するデバイス(注射器)もそれぞれ特徴があり、人により使い勝手の良さが違います。
 とにもかくにも、良い状態を維持できているコントロールはむやみに崩すものではありませんが、使用するインスリン製剤の特徴をよく知り、自らの身体と生活に合わせて使いこなしていくことはインスリン療養の基本中の基本。自分の血糖動態をよく把握して、より合った製剤の選択、使用法の選択が行えることを目指していきましょー☆

 最後に。トレシーバの価格をまだ確認できていませんが、一応ランタスとレベミルの現在の薬価(300単位/ml):(平成24年度)を掲載しておきます。これも大事な選択のポイントですね、、(^▽^;

プレフィド製剤(使い捨て型):ランタス・ソロスター 2455円 レベミル・フレックスペン 2529円
カートリッジ製剤:ランタス・カート 1783円 レベミル 1807円

 さて、トレシーバは如何に?? さしずめ僕はランタスから切り替えてみるつもりでーす b(o´∀`o)

↓クリックの応援いただけると励みになります!
にほんブログ村 病気ブログ 1型糖尿病(小児糖尿病)へ
にほんブログ村

Trackback


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

まとめ【トレシーバ!!】

緊急企画!!新しい持効型インスリン製剤デグルデク(商品名:トレシーバ)の承認申請が遂に日本で受理さ

Comment

1型患者さん
コメントありがとうございます!
トレシーバはそうです、ノボ社の新規インスリン製剤、
薬価は無事に決定したようです。薬価に関しては当ブログの「トレシーバ上陸!!」の記事の中で取り上げましたので、良かったらこっちの記事も見てください!
3/7日から発売される予定だそうです。(但し病院に導入時期が違います)
珍しいケースで、日本が世界に先駆けての発売となります。

胎児のインスリン製剤の危険性を格付けするFDA(アメリカ食品医薬品局)ではまだトレシーバを承認していません。承認されたとしてもアメリカでの発売は来年以降になるのでないでしょうか?!
2007年12月に発売されたレベミルでは、昨年めでたくカテゴリBへの昇格が発表されたところでしたが。
http://diabetitian.blog.fc2.com/blog-entry-25.html

日本が世界に先行してでエビデンスを積み重ねる格好となっちゃいましたが、良い成果が挙げられ、そして妊婦さんの安全性もいち早い安全宣言がなされることを期待したいですね♪

  • 2013-02-15│17:17 |
  • 16(いちろく) URL│
  • [edit]
情報提供ありがとうございます!めちゃくちゃ助かります☆
トレシーバ、妊婦さんへの処方安全性が気になるところですが…
まだ薬価未定で、ノボ社からのやつですよね?
  • 2013-02-15│06:38 |
  • 1型患者 URL│
  • [edit]
追記
待ちに待った\12月/ しかし、トレシーバの発売は薬価交渉の関係で春先までずれ込んじゃうようです~(^▽^; 数ヵ月のことだけど、とても長ーく感じちゃいます・・・
  • 2012-11-29│17:57 |
  • 16 URL│
  • [edit]
初コメありがとうございます☆
期待しすぎもアレですが、噂にトレシーバのインスリン安定供給はさも魅力的に思っちゃいますよねf(^▽^;
気になる薬価収載はまだのようですが、従来の持効型製剤とそんな大差つけないで欲しいです。日本の薬価は順次値下がりすること前提の設定になっており、新薬は高めからスタートしちゃう傾向のようですが…。
 でも患者の立場からして、血糖コントロールの安定化は幾分お金がかかっても手に入れたいものですよね。
慢性疾患を抱える身ではどうしても医療費の出費が嵩張っちゃいますが、でもその分を取り返せる位の生活の充実が達成したい!!と思います(^^)
  • 2012-10-04│20:06 |
  • 16 URL│
  • [edit]
確かに薬価は気になりますね。
私は2型ですが、毎月結構な金額になります。。。
安く出ると嬉しいですね。
ランタスだと毎日効き方が違うんですよ。トレシーバは期待してます!
  • 2012-10-04│11:39 |
  • 初めまして URL│
  • [edit]

Post a comment

Secret


プロフィール

16(いちろく)

Author:16(いちろく)
T1DM暦14年の世迷い人。2013.6月よりインスリンポンプはじめました。。withノボラピッド⇒ヒューマログ
カーボカウントのこととか、食と健康についていろいろ学んだことを綴ります。
すべてはHappyな未来のために・・・

インスリンNews

最新記事

検索フォーム


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。