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糖質制限の適応と不適応!!

2014-09-26
秋めいて来ました
インスリンのレジュメもそろそろモードの切り替え時期でしょうか。僕の方は血糖値コントロールになかなか苦戦しています。季節の変わり目は毎度毎度困りものです(ーー;)

 そう言えば1型糖尿病の発症は季節性があり秋~冬が中で多いと聞いたことがあります。最近発症した新しいお仲間さんも段々増えてきて喜ばしい反面、その方の苦悩とこれからの試練を思うと何ともやりきれない気持ちになります。
 僕も秋口の発症でした。もう十数年も前のことなので発症初期の頃の気持ちもあまり覚えていませんが、入院して1型糖尿病と診断される前の数日間「治る病気であって欲しい」とずっと可能性を模索していたことを覚えています。治るためならどれだけでも養生するのに、過酷なリハビリでも耐えるのに、と。受け入れは容易でなかったですね。2型糖尿病の治療では今だインスリンが最後の手段みたいに思われてるフシがあるのに、1型糖尿病では患者の要望とかそんなことは関係なしに問答無用にインスリンの導入がなされます。今は1型糖尿病は個性のひとつと思えてますし、インスリン治療の意味もよく理解できてるつもりです。生活を自由に楽しみつつ血糖値をコントロールしてみせようと日々励んでいます。
 自己流ではじめたカーボカウントも年々進化し続けられています。はじめは抵抗があった外食や飲み会も今はなんなくこなせます。インスリンポンプの使いこなしも身についてきているつもりです。発症後数年で激減した体重も、ここんとこはずっと適正な体重を維持できてます。今後もインスリン調整のスキルに磨きをかけ、より快適な療養生活を追求していきたいです!!

………、と、そうでした。今回は糖質制限の話にするんでした。
これからします。(普通のブログならここまででも十分に長いでしょうね。ちょっとは気にしてます←)
 僕は正直、糖質制限のことは面白く思っていません。元々肥満のない1型の患者だってこともありますが、巷でたまに見かける糖質制限派の二極分的な論調にかなり嫌悪感があります。僕が患者でなかったら、「変なこと言う人もたまにいるよね~」程度で済んでたかもですが。過去の受け入れができなかった自分を思い起こしちゃうことや、同様に発症間もない患者が糖質制限すれば血糖値は上がらないと信じてしまいケトアシドーシスで救急搬送されるケース、自分だけでやってるならまだいいのですが他人までしかも小児やその保護者にまで糖質制限をすすめる輩も少なくはない気がします。
 元より、糖質、たんぱく質、脂質、はたまたミネラルや食物繊維も含めて、栄養素にはそれぞれに過剰と不足のリスクが存在します。それを踏まえた上、更に各人の病態や希望を考慮した上で食事療法実践の可否が決まります。糖質制限が向いている方もいることは事実でしょうが向いてない人も当然います。
 では、どういった人が適応なのか? 正直まだ議論の余地が残されているのが事実なのですが…。
しかし最低限の認識は持っておきたい。僕のブログ読んでくださっている方は1型糖尿病の方か関係者が多く、基本1型糖尿病では糖質制限の必要がなくインスリンの使いこなしが全てですが知識として理解しておくことは悪くないと思います。

 と言うことで、現状における糖質制限の適応・不適応とその考え方について 文献「緩やかな糖質制限」ハンドブック 山田悟 日本医事新報社を参考に考えてみたいと思います。
※今回の記事の糖質制限の定義は1食当たり20~40gの糖質とさせていただきます。主食は8枚切り食パン1枚かご飯だと70g程度で、おかずは穀物、芋、果物を含まないものだったら大体そのへんの糖質量になります。(ちなみに僕は1食あたりの糖質が朝60-70 昼90-110 夕90-110gが基準。最近控えめにしていますw)

適応
(1)肥満、メタボリックシンドローム
 古くから糖質制限が”短期間の”体重の減量に効果的であることは言われています。糖質を制限すれば自ずとカロリーにも縛りがかかりやすくなります。経験上、脂質だけ摂り過ぎてる方はそうそういません。大概糖質と同時に脂質も摂り過ぎています。三大栄養素(糖質、たんぱく質、脂質)の中では、糖質が一番目に見えて区分しやすい点も有利でしょうね。
(2)ロコモティブシンドローム
 ロコモティブシンドロームとはたんぱく質の摂取不足に起因して筋肉や骨が減ることで起こる運動器の障害。特に高齢者では肉を食べることは身体に悪いという概念が根強くあり、このため糖質に偏った食事をされる方も少なくないようです。もちろん、たんぱく質も決して摂り過ぎていいものではありませんが腎機能をチェックしながら糖質制限で高血糖を予防することが有用である可能性があります。ちなみに糖質の不足し過ぎもロコモティブシンドロームのリスク因子ですけど。
(3)糖尿病
 食後高血糖を予防できます。中年以降に発症の2型糖尿病患者ないしはインスリン依存にいたっていないSPIDDMの1型糖尿病患者。年代による注釈を付けたのは、元より摂取カロリーが少なくていいこと、生活環境が安定していることが多いこと、血糖値変動やインスリンないしはその他糖尿病薬のセルフマネジメントが困難なことが理由です。
 医学的な食事療法には「予防」と「治療」の2つの側面がありますが、エネルギー管理主体の食事療法はどちらかと言うと予防的な意味合いが強いです。糖尿病患者では従来の食品交換表でよく行われていた糖質主体の食事では血糖管理がうまく行いづらかったことがあります。糖質制限まで行かなくても、ほどほどに控えめな糖質量の方が血糖値や体重をコントロールしやすいのはインスリン依存の1型糖尿病患者にも言えます。
(4)認知症
 血糖変動は認知機能に関係している、という報告があります。引用文献にあるから一応この項目も書きましたが、僕は懐疑的に考えています。報告はあくまで2型で、さらに血糖値変動が大きいはずの1型でそのような報告はありません。食後血糖値が変動しやすい=肝のインスリン抵抗性が関与しているのではないかという見方もあって、僕の見解ではそっちの方を支持します。脳のインスリン抵抗性が原因ではないかとも言われています。いずれにせよ原因ははっきりしていませんが、元々食べすぎていた場合は糖質制限がインスリン抵抗性の改善にもつながりやすいことは言えます。

不適応
(1)顕性蛋白尿があってたんぱく質制限食が必要な場合
 腎機能の低下がみられる人ではたんぱく質の摂取過剰が有害にはたらくおそれがあります。糖尿病合併症予防におけるたんぱく質制限についてはまだ議論が多く残されていますが、取り敢えずたんぱく質の摂取過剰は糖質・脂質と同等もしくはより有害かも知れない点は留意しておくのが良いように思われます。
(2)1型糖尿病診断直後(ショック期、悲嘆期)のためインスリン療法を受容できていない場合
 医者にかかりたくない・インスリンをやめたいという気持ちで糖質制限をしてはいけません。インスリン不足によるケトアシドーシスは致命率が高いです。(インスリンがある程度供給されてる場合のケトアシドーシスはそうでもありません)インスリン単位が減ることはメリットではありません。健常人が当たり前に出してるインスリンの動態にできるだけ近づけることを目標とすべきです。
 1型糖尿病を受容できている患者で応用カーボカウント(摂取する糖質量に応じてボーラスインスリンを調整する)が十分に行えるなら、付加的に糖質制限を行うことで血糖管理が改善する可能性があります。ソモジー現象やら暁現象やらで血糖値コントロールがガッタガタになっちゃってる場合。そのような場合はカーボカウントもあまり役に立ちません。低血糖後は日頃のカーボ・インスリン比よりやたら血糖値が上がりやすくなっちゃいますし、日中の血糖値の上下が大きいと暁現象にまで影響出ます。そんな際は限定的に糖質を控えめにして、相応のボーラスインスリン単位を調整することが有用でないかと考えられています。軽食に対応できるようになることは体重管理や日常生活の融通性にもつながるので、その点もメリットかもしれません。
(3)妊婦
 妊娠中の母体の糖質摂取量が少ないと、出生時ではなく、出産後何十年にわたって赤ちゃんに影響が出ることが懸念されています。摂取エネルギーが少なく血糖値がずっと低い状態では発育にも影響しかねません。食後血糖値を確認しつつ、最大に摂取できる糖質の量の検討ないしはボーラスインスリンの単位の調整を行います。
(4)小児
 成長期は栄養素の中でも糖質がより重要です。また、一般に糖尿病・肥満の食事療法は生涯の継続を前提しているもの、且つ小児の食事療法は例え肥満があっても食事内容より間食の習慣や運動などの生活面にアプローチするのが原則です。小児が食事制限を行うことがどれだけストレスか、一生のトラウマにもなりかねません。1型糖尿病患者(特に女性)で摂食障害になりやすいことが知られていますが、そこに食事制限の影響があることは疑う余地がないことです。

 適応・不適応については以上。誰から構わず糖質制限を勧める医師や医療機関はいわゆるトンデモなんでしょうけど、ちゃんとした医療機関でも極端な糖質制限が施されることがあります。ダイエット目的のVLCD(very low calory diet)や小児の難治性てんかんの治療なんかがそう。しかし医療機関の監視下で、筋肉量が減らないか体脂肪が増えないかなどの体組成の変化、血中の脂質やケトン体のチェックが行われます。それも短期間、長くて数年で終了すること前提ですけど。
 適応の方、特に現在の食事療法ではうまく血糖値がコントロールできない方では糖質制限を試してみる価値があるかもです。但し、すでに糖尿病などの持病がある方は上記のモニタリングは欠かさないようしてください。あとインスリンを上手く使えるなら糖質制限の必要はないことも理解して下さい。僕らでも正直使いこなしに四苦八苦してますが、自己分泌が残っている方ほど安全に使用できるはずです。
 最近では脂質は量よりも「質」、いわゆる飽和脂肪酸や不飽和脂肪酸、さらに一価だの多価だの、n-6だのn-3だののバランスがより重要視されるようになってきました。糖質制限では魚や大豆などをなるべく多くとり入れること。また、おかず主体になるため塩分の摂取過剰に気をつけることも大事でしょうね。

 糖質制限まで行かなくても、1型糖尿病患者でカーボカウントをロクに教えてられていないと自然にご飯の分量がかなり控え目になる傾向が感じられます。それで血糖値も体重もうまく管理できているなら、敢えてどうこうは言いにくいのですが…。糖質控えめというか、毎食の糖質量を一定にするいわゆる基礎カーボカウントは実際問題 現在の食事療法でもっとも有効に考えられている方法です。量と言うより規定されてることの方が有効であろうので、そのことを理解して食事の幅を広げていってもらえたらです。

以上でした。
 しかし食事と食を通した人・社会とのコミュニケーションは人生最大の楽しみと言って過言ではありませんが、食事療法の話ともなるとどうしてもクソ面白くなくなってしまいます 療法と名の付くものはすべてにおいてメリットとデメリットの評価が正しく公平に行わなければなりません。でも元来、食事は多種多様なもの。中には菜食主義のような不健康や生活の質の低下を承知してまで実践する思想的なものまであります。ガイドラインありきの指導しか行えない医療機関や医療者はこのような多様性もふまえられるようになっていってもらいたいです(_ _)
  
 食事に対する皆さんの思いってどんなですか?
それぞれの思いに応えられる、療養法や考え方を進展させていければですね。

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16(いちろく)

Author:16(いちろく)
T1DM暦14年の世迷い人。2013.6月よりインスリンポンプはじめました。。withノボラピッド⇒ヒューマログ
カーボカウントのこととか、食と健康についていろいろ学んだことを綴ります。
すべてはHappyな未来のために・・・

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